照明は“数”ではなく“質”が大切です

家づくりの打合せの際によくいただくご質問に「この照明計画だと暗すぎないですか？」というものがあります。

図面上に配置された照明の数だけを見ると少なく感じられるかもしれませんが、実際に完成した住まいをご覧いただくと「思っていたよりずっと明るいですね」と驚かれる方がほとんどです。

ここで大切なのは照明の“数”ではなく“質”であるという点です。

空間全体を均一に明るくするだけでは単調になりがちで、むしろ必要な場所に必要なだけ光を届けることで暮らしはぐっと豊かになります。

たとえばダイニングテーブルの上にペンダントライトを落とせば料理が美味しく見え、家族の会話が弾む空間になりますし、リビングではダウンライトに加えてフロアスタンドや間接照明を組み合わせることで、光と影のバランスが生まれ落ち着いた雰囲気を演出できます。

キッチンや洗面などの作業空間は手元をしっかり照らすことで効率が上がり、寝室は明るすぎず程よい光量で就寝前の読書やリラックスに適した環境を整えられます。

このように暮らしのシーンを具体的に想定しながら計画することが、実際に住んだ時の快適さへとつながるのです。

照明計画を考えるときは、単に「明るさを確保する」ことではなく「どの場面で、どのように光を感じたいか」を重視します。

光が空間に陰影をつくり、時間の移ろいに合わせて暮らしの表情を変えてくれるからです。

だからこそ照明は“数”を足すよりも“質”をデザインすることが何より重要であり、その違いが住まいの心地よさを決定づけるのだと思います。

よろしければ家づくりの参考にしてください。

それではまた明日。