地域工務店と大工棟梁の現代版としての役割
昔は家づくりといえば、その町に根ざした大工の棟梁が中心となっていました。
家を建てる責任者であるだけでなく、屋根の修繕や建具の調整といった日常の手入れまで担い、「家守(いえもり)」として住まいと暮らしを長く見守っていたのです。
また、地鎮祭や棟上げ式では世話役として地域をまとめ、施主の相談役としても頼りにされていました。
まさに大工棟梁は、建築技術者でありながら人と人、暮らしと地域をつなぐ存在だったのだと思います。
「大工」という言葉の由来は「大いなる工(たくみ)」ともいわれ、優れた技術を持つ匠を表すものです。
その名の通り、棟梁は建築のすべてを取り仕切り、地域の暮らしを支える柱のような存在でした。
現代においては、建築士や工務店、メーカーといった役割が分業化され、大工棟梁の姿は薄れつつあります。
しかし私は、地域工務店こそがその現代版であるべきだと考えています。
お客様一人ひとりの暮らしに寄り添い、家を建てて終わりではなく、その後も「家守」として末永くお付き合いを続けていく・・・それこそが工務店の使命だと思うからです。
技術力を磨き、快適で安心できる住まいを提供するのはもちろんのこと、地域の中で人と人をつなぎ、暮らしの支えとなる存在でありたい。
昔の棟梁がそうであったように、私たちもまた「暮らしを見守るパートナー」として、これからも地域に根ざした工務店であり続けたいと願っています。
いつもありがとうございます。
それでは、また明日。